刑事とJK
第10章 伝えられない想い
斉藤はハァハァと息を切らして
廊下の真ん中で立ち尽くした
「フラれちゃったのかしら?」
「…お前、ゆうひに何か吹き込んだのか?」
後ろから歩いてきた津森は
いいえと答えた
「でも、教えてもらっちゃった」
「何をだ?」
津森は斉藤の耳元に囁いた
「ゆうひちゃん、
学校で好きな人ができたって♪」
「…」
「いいわよねーかわいくって
ね、斉藤
あたしへのあなたの返事、まだでしょ?」
津森は斉藤の胸に触れた
「教えて♪」
「また今度な…」
顔も合わそうとせずに、
斉藤は刑事課室に戻って行った
「…今度っていつになるのかしら?」
コツコツとヒールを鳴らしながら
津森が帰って行くのを見計らって、
刑事課の男たちはどやどやと刑事課室に入って行った