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刑事とJK

第10章  伝えられない想い




シゲは書類を運びながら驚いた



「どうしたんですか、皆さん…?」



斉藤とシゲの仕事部屋には
溢れんばかりの男が入って来た


皆、ふーふーと息を荒だてている



「斉藤!!な、なんださっきの状況は!!」


「あのかわいい子に
酷いことでもしたのか!?」


「ってか、津森さんと
どういう関係なんだ!?」


口々に斉藤に質問を浴びせる




当の本人は机に両肘を付き、
手に顎を置いて黙っている



シゲは男たちに部屋から出ていくよう言うが、
なかなか動こうとしない



「お前まさか二股かけてんのか!?」

「う…羨ましすぎる…!!」

「見損なったぞ斉藤!!」







「うぅるっっっせえええ!!!!!」


斉藤の声に、辺りは静まりかえった



「出ていけ」



男たちはそれぞれ文句を言いながら
部屋から出て行った



「どうなったか教えろよ…?」
「津森さんに手を出したら許さんからな」





全員出て行き、部屋はまた斉藤とシゲだけになった


斉藤は

ドン

と机を叩いた


机の上のものが振動で動くほど




「手ぇ出されたのはオレのほうだ、
ちくしょう…」



その言葉にシゲは目を真ん丸にさせた



「え…津森さんに?先輩が…?」



「口出しすんな、仕事しろ」



「は、はい!!」





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