願わくば、いつまでもこのままで
第12章 女と女
__大学に足を踏み入れ早30分__
「建物が多過ぎてわからない……」
陽君が通うこの大学は複数の学部で建物を分けていて、どこに入ればいいのやら……
私が通っていたとこは
1つの建物に学部を詰め込んでいたからなあ…
ということで中の方にあった小さな広場のベンチに腰をかけ、陽君からのメールの返信を待っているのだが
なんで……こないの……
いっぱい学生さん周りに増えてきたし
慣れたものの少し緊張するし
私、こうみえて人見知りなのに……!!
「はあ」
うなだれて
もうこのベンチに
寝転がってしまいたい…
目を閉じる。
すると聴こえる音だけが頭の中に広がっていく。
……なんか、うるさい人がいるわね
声大きいし荒いし…
声からして女の人?
目を開けてもその声はうるさくて
すぐにどこだかわかった。
あれって……陽君のお友達?