テキストサイズ

願わくば、いつまでもこのままで

第6章 告白

公園の中

園田は1つのベンチに座って俺を待っていた。


ただまっすぐ前を向いていて

その凛とした横顔に

正直


心が揺れた。

心臓の音が大きく跳ねてドキッと……


それがスイッチになったのか

急に身体が熱くなって
心臓が鳴り続けて

緊張が体を縛った。



「そ、園田……待たせたな」


園田の顔がくるっとこっちに向いて
俺の顔を少し見た後

ほっと息をついて、顔をほころばせた。

まるで
「よかった」と安心している様で


それは今までに見たことない

園田の優しい笑顔。


つられて俺も
笑ってしまった。




「隣、いいか?」


「もちろん。座って」



言われたとおり座った。



が、それからお互い出る言葉もなく

沈黙。



少し気まずいが


隣に座っているため
前を見ていれば相手の顔は見えない。



向かいあわせじゃなくてよかった


ふう……と、つまる息を吐き出した。



「あ、あのね…」


「ん?」


恥ずかしいのか

お互い前を向いたまま話し始めた。



「私、ね……」


「うん」


「……」


「……園田?」


「わ……たし…………」


なぜか変に震えた園田の声は途切れて

その代わりに
鼻をすする音や嗚咽が聴こえてきて

まさかと思って見てみたら


案の定


園田の瞳からは

いくつもの涙がポロポロと落ちていた。






ストーリーメニュー

TOPTOPへ