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願わくば、いつまでもこのままで

第6章 告白

案の定、とは言ったものの

俺はけっこうびっくりした。


あの園田が人前でこんなに泣くなんて……



自分は何をしてあげればいいのか
全然わからなくて

オロオロしてる俺は

なんて情けない奴なんだろう

と、思った。




「そ、園田?
お前、なんで泣いてんの?
俺は、俺は……」


どうすればいい?

そんな事を泣いてる園田本人に聞きそうになって、グッと口をしめた。


園田は「ごめんね、ごめんね」と
何回も謝りながら
止まらない涙を必死に拭っていた。



「あっ、そうだ。
ハンカチ確かあったはず」


俺はズボンのポケットに入っていた
ちょっとヨレヨレのハンカチを園田に渡した。



「ごめんね……ありがと……ヒッ…ヒック…」


嗚咽を漏らしながらも

園田は俺のハンカチで涙を拭いた。



そしてやっと涙が止まると

すっと深呼吸をしてから話を再開した。



「ごめんなさい、泉
みっともないとこ見せて、迷惑かけちゃって……」


「いや、俺は平気だからさ
それより……なんで、泣いたの?」


やはりそこが気になった。

これからというところで、いきなり泣き出したものだから





「……私ね、こわくなったのよ」


「こわい?何が?」


「ふられるのが」



ふられる

って、まさか…



嘘だろ、園田



「もう泉、わかってるよね」


園田はそれまで落としていた視線を俺にあわせた








「私、泉のことが……好きなの」





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