願わくば、いつまでもこのままで
第8章 変化
こわかった
プールのときのキス未遂
あの時は
お互い惹かれ合い自然に顔を寄せた
何も考えられず吸い込まれるように
でも、図書館のときは違う
陽君の目が“男”の目だった
欲望で濁った目の色
顔を寄せてきたとき
「キスされる」と認識できた
拒否の態度を表した
だけど彼はしようとした
一方的なキス未遂
こわかった
喰われてしまいそうだと
本気で思った
……なんで
なんで陽君は
私にキスしようとしたの
なんで……?
私は
今の関係が好きなのに
大事にしたいのに