願わくば、いつまでもこのままで
第8章 変化
お風呂からあがると
和君はバスローブ姿でソファに座り、テレビを観ていた。
「ちょっと和君!
ちゃんと着替えてからにしなよ
ソファ濡れちゃうし、風邪ひいちゃうよ?」
私もバスローブ姿で髪を軽く拭きながら和君の顔を覗き込む。
すると彼はリモコンでテレビを消すと
私の顎に手を添え、強引にキスを仕掛けた。
「んっ……ちょ、かずくっ……」
唾液でやらしく濡れた舌がグイグイ入ってきて
舌を絡めとられ
歯列をなぞられ……
「あっ…ふぅ……」
快感に身体が疼きながらも
無理な角度のキスで微妙に首が痛い。
更なる刺激を求め私は座る和君に跨り、首に手をまわした。
ふいに唇が離れ、唾液の糸を引く。
「んはぁ……和君今日はいきなりどうしたの?」
「ん?なんだ、欲求不満じゃなかったのか?」
「なっ…!欲求不満だなんて、私そんな顔してた!?」
「だって、一緒に風呂入ったとき
お前こっそり洗う最中に自分で弄ってただろ」
「はっ……!?なっ…そんな……っ」
一気に顔が熱くなる。
火照ったその顔を私は恥ずかしくなって手で覆った。
だが、すぐにひょいと手をどかされ
逆にじいっと見つめられる。
私はただただ俯いた。
「……こっち見ろよ」
「や、やだ……」
無言で見つめる和君はいきなり私を抱きかかえると、寝室のベッドに運び、その上に投げ出した。
「わっ」
目を開けると、和君は私の上に馬乗りになっている。
このときの和君は
すでに欲望で色気を出す「男」の顔
いつになっても私はこの男の和君の顔が好きでたまらない
「比奈、いいか」
「……きて」
両手をひろげる私の胸に和君は襲いかかった。
好き
好き
愛しているの、和君
だからお願い
私のことをちゃんと、みててね
こうして夜は過ぎていく