All Arounder
第11章 High School Student
学校の外ではまだマシだった視線が
校舎に入った途端、さらに痛々しくなった
…帰りたい
大志はずっと手を引いたまま、特に何も喋ってくれないし…
靴を脱いで、大志は上履きを、姫は裸足のままペタペタと廊下を歩いた
恥ずかしさと変な緊張とでほてった体には、ヒンヤリした地面が心地好い
階段を上がっていき、3階へ到着
「あ、大志だー!!おはようっ」
「やっと来たのかよ、何週間ぶり?」
「お前成績ヤバいんじゃないの?」
廊下ですれ違う人ほとんどが、大志に声をかけてきた
「何だよ、来ちゃわりぃか?」
ムスッとした大志を可愛がるように、男子も女子も皆がからかう
『…』
大志は
好かれているんだな…
まず、そう思った
「あれ、誰この可愛い子!!?///」
「どこの学校なの?ってか私服?」
続いて姫の周りに人が集まる
『…』
姫は黙りこくった
「てめぇらにゃ関係ねぇだろ、散れ、しっし」
それを払うように、大志は言ったのだ
「何だよつまんねー」
「大志、お前だけずりーぞ」
「何とでも言えー」
大志は軽く流すと、姫を連れて教室へ入った
ガラッと扉を開けると、今度は黄色い歓声が上がった
「あー大志ぃ!!」
「え、嘘!?」
「かなり久しぶりじゃん!!」
入るや否や、大志の周りには数人の女子が集まった