All Arounder
第15章 Jealous
しばらくすると、注文の品が運ばれてきた
店員はペコッと頭を下げ、レシートを置いていく
「おいしそぉっ、いただきま~す」
「いただきます」
円香はランチを、大志はサンドイッチを食べた
…まぁまぁうめぇな
サンドイッチの味に満足していると、円香が口を開けた
「あーん///」
「は?」
「ちょうだいよ、あーん」
大志は渋々サンドイッチを円香の口元へ運んだ
パクリと一口食べ、嬉しそうな顔を見せた
「おいしーい///」
「そりゃ良かったな」
「はい、大志も口開けて、あーんっ」
円香はスプーンですくったグラタンを運んできた
「い…いらねぇって」
「食べてよぉ、彼氏でしょ?」
「…」
大志は黙ってグラタンを食べた
あー恥ずかし過ぎる
早く今日という日が終わればいいのに
「ふふっ、大志可愛いぃ///」
「うっせぇよ」
「あ、サンドイッチのマヨネーズ付いてるよ、おっちょこちょいさん」
円香は身を乗り出すと、腕を伸ばして大志の唇を拭った
「おいっ…」
その指をチュッと吸うと、円香はまた何事もなかったかのように食事に戻った