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All Arounder

第16章 Honest Feelings



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隣で美由紀が寝静まったことを確認すると、井上は服を着替えて外へ出た


もちろん、ルーム代は置いていって





「…あ、そーだ」



夜の街を歩いていると、井上は何かを思い出したように方向転換した



しばらく進み、入った所は小さなアクセサリー店




「うーっす」



「あ、井上さん」



ここで働いている若い男性スタッフが駆け寄ってきた



「鉄ジイなら地下にいますよ」


「ん、ありがとなー」



井上は店の奥へ足を運び、一枚の扉を開けた


その先には地下への階段があり、薄暗い中をゆっくり下りていく




下へ向かうにつれ、何やら明かりが見えてきた


いつもは閉じている扉が、今日は開けっ放しのようだ




階段を下りきると、無駄に広い部屋についた



辺りに散らばったネジやドライバー
壁には銃やナイフが飾られていてる



「…」



前を見ると、机の前でひとりの老人が作業をしていた



「鉄ジイ」



名前を呼ばれ、"鉄ジイ"は顔をこっちへ向けた




「おお、退斗か」



鉄ジイは眼鏡を外し、短い白髪頭をガシガシと掻いた



「お前さんの"ガーランド"の点検なら、もう出来とるぞ」




「さっすが鉄ジイ、仕事が早いなー」




井上は鉄ジイの隣まで寄ると、机の上に置かれた"ガーランド"を手に取った




「ちゃんと磨かれてる、よかったな"ガーちゃん"」



「銃に"ガーちゃん"なんて名前を付けるな」



鉄ジイはやれやれと首を振った


「何だよ文句あんのか?」




井上は"ガーランド"…いつも井上が愛用しているライフル銃を撫でた





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