All Arounder
第17章 Shadow Threaten
「…"何もない"?」
『うん、何もないの…
って言うか、こっちにありすぎなんだよ』
大志と井上は顔を見合わせた
「「何が?」」
三角座りをしながら、姫は顔を膝に伏せた
そしてちょっと体を左右に揺らしながら、赤くなった顔が上げられる
『…何でも///』
「姫ちゃんそれは答になってねーよ!!」
「何があって、何がないんだ?」
『だから、何でもだって!!///』
ほんとに、こっちには何でもある
あの屋敷にはなかったものが、たくさん…たくさん…
学校も
買い物も
家族も
マスターも
退斗も
…大志も…