All Arounder
第17章 Shadow Threaten
「まぁ、とりあえず姫は家に帰りたくねぇんだな?
反抗期か」
『…あたし、大志と年変わんないからね…』
「にしても…どーすんだ?使用人たち、姫ちゃんを連れ戻す気満々だったじゃねーか」
その言葉に、姫も苦そうな顔をする
それを励ますかのように、大志は姫の背中を叩いた
「心配すんな。30億も掛かってんだから、オレが姫を連れて行かしゃしねぇよ」
な?と顔を傾けて笑う顔は、なんとも心強く
姫もうっかり笑顔で応えてしまいそうになった
グッと堪えたが…
「そんじゃー、今度こそ酒場に戻るかー」
井上は後ろに傾き、勢いをつけて跳ね起きた
「はい、お姫様」
そう言い、井上は姫に手を差し延べる
『…///』
井上の手をキュッと掴んだ
大志が
「てめーが掴むんじゃねー!!俺の手は姫ちゃん専用だコラ!!」
「ケチケチすんな、姫もオレも同じようなもんじゃねぇかよ」
「全っ然違うっつの!!
南極と北極並に違うっつの!!」
『たいして変わんない…』
「じゃあオレが南極で姫が北極な」
『…ああ、…うん』