All Arounder
第19章 Tell A Lie
確かに…
交わりを絶っていたのは、あたしの方だ
笑うことも、泣くことも、喋ることさえしようとしなかったのは
紛れも無い、このあたしだったのだ
「ぐ…ふぅんっ!!」
顔面に膝を入れると、最後の一人は壁伝いにズルズルと落ちていった
「手間かけやがって…」
ふと自分の手を見てみると
血まみれだった
…知るかよ
辺りには、大志の手のように血にまみれた男たちが
言葉も発せずに倒れていた
「…」
やはり頭が痛い
走って車を追いかけるなんて無理だ
どうすれば…
その時、一台のバイクが通り掛かった
大志は迷わずその前に飛び出す
「うわぁ!!」
キキィ!!と、バイクの運転手はブレーキをかけた
「あ、危ないだろ…!!!」
と運転手が注意してすぐ、大志はバイクのハンドルを握った
「え?」
「わりぃ!!ちょっとこのバイク借りっから!!」
「ちょっ…ちょっとどういう意味だ…!?」
わけも教えてもらえないまま運転手はバイクから落とされる
大志はバイクに跨がると、猛スピードで飛ばした