All Arounder
第20章 Side By Side
「そういうわけだ、さっさとお前のお嬢さんを渡しな」
「…嫌だ」
黒羽は姫を強く抱きしめた
「でなきゃお前が痛い目にあうぞ?」
「お嬢様に…危害は加えさせない」
『…黒羽…』
座っていた使用人は、静かに呟いた
「…やれ」
周りにいる使用人たちは、一気に襲い掛かる
「…!!」
ギュッと目を閉じた…
ドサッ…
その何かが倒れる音に、全員が振り向いた
倒れていたのは使用人の一人
そしてその後ろに立っていたのは大志だった
「…まだ動けたのか…!!」
使用人たちは大志の方に向き直り、それぞれ攻撃態勢を取った
「オレには5分ありゃあ充分なんだよ」
大志はニヤッと笑うと、目にも留まらぬ速さで
1番手前の男の頭を掴んだ
!!?
そのまま自分の膝目掛け、その頭をガッと落とす
「がはっ…!!」
男の歯は欠け、その場に倒れた
「な…何だと…!?」
使用人たちはざわめき出す
大志はゆっくり顔を上げ、言った
「何でしっくりこねぇかわかった。
やられっぱなしで終わんのって、やっぱうぜぇわ」