All Arounder
第24章 Parasite
「でも姫、確かに手錠はやり過ぎだな」
『え、…そう?』
にこりと笑う大志に、姫は身震いした
「そう。だから罰としてー…」
『あ、あたしは大志と退斗の息が合うように、二人に手錠を掛けたんだよ!?』
「へ…、ほんとに?」
『うん、きっと二人の息はピッタリになってるよっ』
何とか罰を回避しようとする姫の言葉に、井上は口を出した
「大志、騙されんな、んなこと嘘に決まってる!!
ちゃんと罰を与えるべきだ、姫ちゃん今ここで脱げ!!」
『大志…あたしか退斗かどっちを信じるの?』
「そりゃあ姫だろ」
「大志ぃいいー!!!」
おいおいと泣く井上を無視し、大志は姫に話し掛けた
「ところで、何か飯作ってたんだよな?」
『あ、うんっ
もうちょっとで出来るから待ってて』
姫はテテテッとキッチンへ向かい、料理を再開した
「大志…お前さっきのとこは意地でも罰与えなきゃ…」
井上はこそこそと喋った
「何で?」
「あっちが脱いじまえば、あとは皆でウハウハ出来たろーが」
「てめぇはその腐った脳みそ、いっぺん取り替えてもらえ」
「な…なんでお前ってそんな辛口なんだよー…?」
「うっせぇなぁ…それに…」
大志はテーブルにつき、口を開いた
「…姫は傷つけたくねぇ」
「…」
大志と一緒に、井上は姫の後ろ姿を眺めた
「…ふーん」
井上も大志の隣に座り、夕食が出来るのを待った