All Arounder
第27章 Black Wing
大志は姫の腕をがっちり掴む
自分の背中が大志と密着し、どうしようもない緊張感に包まれ…
呼吸するたび、大志の吐息が首筋を撫でる
『…///』
もう硬直状態だ
身動きひとつ取れない
「懐かしいなぁ」
唐突に大志がそう言った
「小せぇ頃とか、よくこういうとこに隠れたりして遊ばなかったか?」
『ぜ…んぜん…』
喋んないで…大志の息…ゾクゾクするからぁあ///
「あー…姫、シャンプーのいい匂いする…」
あぁあぁあ~…
この人、あたしを殺す気だ…
こんなとこで何言ってんだ…///
『…っ///』
大志の顔…あたしの頭に埋もれてる…
「…落ち着く…」
心臓
うるさい
『何言ってんの…///』
掴んでいた手を離したかと思うと、大志は今度は体全部を抱きしめてきた
『っ~…///』
体中熱いよ…
ずるいよ大志…そんなの…
ずるい…///
「…抱き枕みてぇ…」
あ
そうですか
『…///』
姫は、自分を抱きしめる大志の手をそっと握った
…あったかい///