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All Arounder

第38章 My Heart Beating





「あなた、男よね?」



…男に決まってんだろ


ってか逆に、女に見える要素があんのか?



「男ですが…」




「そうよね…」



少し残念そうな顔をする佐藤輝美


なんでだ?





「実はその薬品…名前はまだ仮で"CC5"って呼ばれてるんだけど…
特徴としては、女がCC5を嗅ぐと、媚薬として効果を発揮するの」



「へー」



「けれど男が嗅いだら、陰茎勃起不全に陥ってしまうわ」




「…へ?」





「うっかり嗅がなければいい話なんだけど…それでもいいかしら?」




「…それは…どれくらい…?」



「最低でも10年」




「…」




「やっぱりやめとく?」




黙り込む大志の表情を窺うように、佐藤輝美は首を傾げた




「いや、…うちには女のAll Arounderもいるんですよ」




大志の意地として、仕事を断ることはどうしても出来ず


苦し紛れに言ってしまった





「姫、ちょっと来い」





自分が呼ばれた気がし、姫が部屋に入ってきた




『こんにちは』



「あら、可愛らしい」





大志は姫を指しながら、佐藤輝美に言った





「彼女がなかなかの腕なんです、だから大丈夫。
この依頼、引き受けますよ」




「ふふ、ありがとう」







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