All Arounder
第40章 Care For You
「な、何でもったいないんや!?///」
葵は井上の隣で地面に手と膝をつき、その顔を覗き込むようにした
「はぁ?何だよいきなり…」
「なぁ、何でや、何でや!?///」
えらく積極的に聞いてくる葵に、井上は若干引き気味になる
「…もったいねーから、もったいねーんだ」
「何やのそれ」
葵は頬を膨らませ、ゆっくり立ち上がった
「そういえば、あんた声治ってきたやん」
「ああ、鼻の通りがよくなったみてー」
少し嬉しそうな顔を見せる井上を見て、葵は言った
「もっとジメジメしたとこにあるかもしれへん」
「松茸?」
「うん」
二人はその場を離れ、別の地点へ移った
言った通り、さっきよりは湿度も高そうで
いかにもキノコ類がたくさん生えてありそうなところに来た
「あるんじゃねーの?」
井上は口の端をペロリと舐め、両手をさすり合わせた
「あ、松茸!!」
二人同時に、木の根本へと飛びつく
「…まぁ、5cmってとこか…」
「あと25cmやねんけどなぁ」
そんな調子で、どんどん松茸を探していった