All Arounder
第41章 Rival Company
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姫の言った通り、スーパーの隣には見たことのないビルが立っていた
全体は黒をベースにした外見で、どこかオカルトチックな面が窺える
「…ヤベー…」
玄関にはおどろおどろしいゴブリンの置物
植えられた黒い薔薇が、不気味にこっちを向いている
「何でも屋のイメージが、これで定着しなけりゃいいけどな…」
三人は意を決して建物内に入った
建物は全部で三階まである
一階は待ち合い室
二階は主に交渉場所
三階はおそらく、"何でも屋"が住み込んでいるのだろう
驚いたことに、一階は依頼者でごった返していた
『うわぁ、人がいっぱいいる』
「け、こんなたくさん、一気に相手に出来るわけねーっての」
ケチをつけながら、井上はソファーに腰掛ける
それから数時間後
やっとのことで大志たちの番が回ってきた
他の依頼人と同じように二階へ上がり
"交渉室"と書かれた札の掛かっている部屋の扉を開ける
ガチャ
「あら、あなたたちじゃないの?」
マジかよ…