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『行こうよ』




腕をしきりに引っ張ってくる姫に、大志は口をまごつかせる





『歌いたい』




「…姫、何歌うんだ？」




『アンパンマン』




「…」







――――――――――
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「わかってんな、姫
１時間だけだかんな」



そう言いながら、大志はソファーに腰を下ろした




『うんっ、わかってる!!』




姫は早速曲を入れ、マイクを握る


するとどこか陽気で軽快な曲が流れてきた



予告通りアンパンマンだ




『あ♪あ♪アンパンマンやさしいきみは、い♪け♪みんなのゆめまーもるため♪』



ご機嫌に、座りながらも飛び跳ねているその姿は
まるで小学生




大志はただ呆れた顔しか向けられない








ジャーン

と一曲が終わると、今度は大志がマイクを握った




『あれ？大志も歌うの？
バイキンマンの歌か、はひふへほー』



「んなわけねぇだろ」




流れてきた曲はB'z




「姫ももうちょい大人な曲でも歌え」





すると大志はマイクを握り直した


深く息を吸い込み、声を発する






『…///』





姫はジュースを飲みながら、歌い込む大志を見ていた



大志はもちろんスイッチが入ったようで
ここにきてまさかの才能を発揮