All Arounder
第44章 Is There No Love?
井上は葵の手を取り、葵の方へ向き直った
長い髪を軽く引き、顔をそっと近づける
実は
これから後のことは
何もかも初めてだった葵
もちろん唇同士のキスも
これが初めてだった
温かいものが触れた
不思議な感じ
胸の奥から、体がほてってくる
ちゅぱ
一瞬唇が離れたかと思うと
すぐさままたキスをされた
「口…開けて」
言われるがまま、少しだけ口を開いた
途端にヌルッと舌が入ってくる
「っ…!!///」
拒絶してしまいそうになったが
井上の舌遣いの上手さと
相手が井上だ
という理由で、力んでいた手の力もすぐに緩まった
「…ん…///」
自分の口の中で動き回るもの
こっちはそれに、どう対応すればいいのかがわからない
そんな葵に気づいたのか、井上は小さく言った
「舌、出してみ」
「…こぉ…?///」
「そう。それで、俺の舌舐めて」
井上も同じように舌を出した
葵は、井上の足に手をついて体を支え、口から覗いた井上の舌をチロッと舐めた
「もっと…いっぱい舐めて、しゃぶって?」
「…んは…///」
これがキスだと言うのなら
自分が想像していたのとは、全く違った