All Arounder
第46章 Examine For Examiner
「そんじゃーまず、話を聞かせてもらおうか」
井上はデンッと椅子に座った
「実はですね…昨日申しましたように、シゲのことなんです」
千花はどこか遠い目をして、ため息をついた
「最近あの人…私が浮気してるんじゃないかって疑ってるんです」
「…してんのか?」
「してませんよ!!
最近は、開いている華道教室の生徒さんも増えて、私はくたくたなんです…
だから構ってあげられないのですが…」
「それを浮気相手が出来たからだと勘違いしてるってか?」
千花は「はい…」と答え、そのまま続けた
「依頼…ですか…、ぜひ、シゲが私のことを調べてないかを調べてもらいたいんです」
「…複雑な依頼だな。それを知ってどうすんだ?」
「…近頃、私の部屋にある物の配置が変わってたりするんです…
私はシゲがやったんだと思いましたが、もし本人じゃない他の誰かの仕業だったら…
確信もなく、シゲに文句を言える勇気がありません」
「つまりおチビは、旦那がおチビをどう思ってるか知ってから、本人と話をするっつーわけか」
「そんな感じです…」
一通り話し終え、千花は強張っていた肩の力を抜いた
「よしわかった。じゃあ、報酬なんだけどよー…」