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斉藤とゆうひは、一旦リビングへと入った



椅子に腰掛け、しばらくの沈黙を迎える






今は少し、頭の整理がつかないでいた



まず驚いたことは、小泉が生きていたことが確かだったということ


そしてもうひとつは、なぜか美空の彼氏として現れたということ…







「…ゆうひ」



「ん？」




「俺、どうしたらいいんだ？」



「…わかんない」





複雑なところだ



出来ることなら、小泉を牢屋へ送ってしまいたい



しかし、小泉の時効はとっくに過ぎているだろうし


美空の恋人なんだから、下手すると美空が悲しむ




また、小泉には恩もあった







「逮捕…してぇ」



「気持ちはわかるけど、ダメだよ」




「…」




ゆうひは小泉の味方かよ


そういう目を向けると、ゆうひは慌てて首を振った





「あたしは斉藤の味方だよ!!」


「わーかってるっつの」





わかってる





それはわかっているが、斉藤自身は納得出来ない面もあった









―――――――







「美空らしい部屋だね」




「あたしらしい？」





「うん、落ち着いた女の子の部屋」





二人は美空の部屋に入ると、立ったまま会話を続けた





「でも、本当にいいの？」



小泉が尋ねた





「気にしないで。それより、お腹空いてない？」



「まぁ、ちょっとね」




すると美空は、閉めていた扉をもう一度開けた