All Arounder
第52章 Young Girl
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カツ カツ カツ カツ…
夜の道を、ヒールの音が刻んでいく
その音の後ろから、何足か、また別の足音が続く
街灯を通り過ぎたところだった
「ねー君さぁ、今から時間ある?」
「良かったらカラオケでも行こうぜ?」
そう言いながら、複数の若者が一人の女を取り囲んだ
典型的なナンパの図だ
「ふざけんなっつーの」
ただ、女はそう返した
「まぁまぁ、いいじゃん」
「奢るからさ、ちょおっとだけ付き合えよ」
一人の若者が女の肩に手を置いた
「!!
触んないで!!」
「冷たいなー…あんま抵抗するなら無理にでも連れ込んじゃおっかなー?」
両手首を掴まれ、女は身動きが取れなくなる
「なんなら、ここででもヤっちゃう?」
「おおっ、そりゃいいや」
「それはさすがにマズイだろーが」
卑劣な笑みを浮かべる彼らに、女は為すすべがない
「や…やだ、放して…!!」
「放さないよー?
そんじゃ、いただきま…―――」
瞬間、女を掴んでいた若者の姿が消えた
―――!?
全員が気がついた時には、若者は仰向けに倒れていた