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ガッ!!!!ーー




辺り一帯がスローモーションに見えた


刃物はマスターの腕の薄皮一枚を切り裂き
そのままテーブルの表面に突き刺さった



「あっぶ…」



マスターは咄嗟に、切られた部分を手で覆った


「てめぇ何しやがんだ…！！」



大志と井上が有利香を取り押さえようとしたが、

有利香はそれをするりと抜けて後退した



「なっ…」



なんだ今の身のこなし…
ギャルの動きじゃねぇ!!



『マスターっ!!
血が…!!』


姫はマスターのもとに駆け寄り
そして有利香の方を見た



『なんで…』





「んふ〜〜」


金色の髪はゆらゆらと揺れる

それを頭の後ろまでかき上げながら、有利香は微笑んだ




「今の咄嗟に避けられちゃうなんて〜有利香ミッス⭐︎
腕くらいはいただくつもりだったのになぁん」



すぐそばに置いてある袋から、
するりと竹刀を抜き取る



「やっぱり赤井久狼は只者じゃない…か、もしくは最初っからめちゃめちゃ警戒されてたか、かにゃ〜？」



竹刀の先はマスターに向けられた




「短い獲物は距離感つかめなかったけど、
安心しろい。次は仕留めてやるよい」



有利香の目が
一層鋭く光った