無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

「待て待て！
一体何がどーなってるのか説明しろ！」


井上は、有利香に向かってそれ以上動くな、と手で制す



「有利香…お前最初っから赤井久狼ってやつを…殺す気でいたのか？」


混乱しないよう、まずは少しでも状況を把握したかった



「コロスだなんて物騒な〜！
でも何でも屋さんにちょっぴり隠し事してたのには謝るよ、そーりぃ」


ふざけた口調とは裏腹に、その目は笑っていない



「お前は父親に、そのソードブレイカーを赤井久狼に返すよう頼まれた。
そう言ってたな？」


大志の頬には汗が流れる



「どこまでが本当の話だ？」



「いや〜そこに嘘はナッシング。
そのソードブレイカーはちゃんと返すつもりだったよ」



有利香は重心を低くした



「借りも一緒に、返すけど。」







有利香は踏み込んで、一気に井上に間合いを詰めた




「はやっ…！」


反射ですぐそばの椅子を持ち上げ
胴体を狙ってくる竹刀を受け止めた



が…



バギィッ!!!



「なっ…」


「ニコオ♪」




有利香に薙ぎ払われた竹刀と一緒に
井上は吹き飛ばされた



「退斗ぉお!!!!」


葵の声が井上を呼んだ




「おっかしぃだろ…」


井上はすぐさま体制を立て直す




ーーーギャルの竹刀に吹っ飛ばされた？

ありえねぇ、こいつ一体…