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All Arounder

第54章 You Asked For It





「俺だって嫌だよ…こんなことしたくねぇよ…でもじゃないと…

俺は有利香を守ってやらねぇとだめなんだよ…!!」




「だから!
なんで急にそんな…!」




話している途中でも

容赦なく攻撃が飛んでくる





向こうは日頃から鍛錬していることもあってか

長らく剣を振ってないこちらは受け止めることで精一杯だ





「もう無理なんだよ!
お前に殺される恐怖を味わい続けるなんて…!!!」



ガンッ





押された反動で、背中を本棚にぶつけた



バサバサと音を立てて本が落ちていく




その中に、さっき見つけたタイトルのない本があった






「…見たんだろ…」




「何を…」




「シラをきるな…」






「淳司!何かお前は勘違いしてる!
俺は…」





本の間から



顔を出している写真に目が止まった








ドクン







「…な…」








ドクン



ドクン





ドクン






再び、日本刀が振り上げられた



全てがスローモーションに見えた








「…んでお前が
七香を知ってんだーーーーーーー!!!!!!」








写真には


七香の家が写っていた





理由など、考えている暇もなかった







バキッ…ン







ソードブレイカーは日本刀に噛み合わさり




その堂々たる峰をへし折った






それで終わればよかった




それで終わればよかったのに






体が止まってくれなかった



言うことを聞いてくれなかった









なぜここまで淳司が俺に対して恐怖を示していたのか


自分の中で腑に落ちた






だから「構うな」と


本能が叫んでいた








「淳司ぃいいいいい!!!!!」



















ドスッ







「…ぁ…」









刀は、淳司の腹部に深々と突き刺さっていた













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