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All Arounder

第55章 You Asked For It 2

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「はは!旨い酒だー!
久々だー!」



「もちろんご馳走してくれるんだろ?勝ったんなら」


「は?するわけねぇだろ!自分の分は自分で払いやがれ」





…このような返事が来ることは予想はしていたが、なかなか心地の良いものではないな



大衆居酒屋のカウンター席に並んで、淳司と男は酒を飲んでいた



賭け事で勝ったから飲みにいこう、なんて言われたら少しは期待してしまうだろうよ




「ところでお前、用事ってなんだったんだ?」



「んー?いやー診断書を病院で拾ってさ、届けてやろうと思って」



「は!見せろよ、どんなのだよ!」




「いやだよ、なんでお前に…」


「は!?」



グラスを叩きつけるように、机に置く男



淳司は渋々ポケットから診断書を出した






「…ほほー」





診断書を見た男は、ニヤリと悪そうな笑みを浮かべる




「淳司ぃ、こりゃー使えるぞ」



「は?」




「いいか?耳かせ」



男はコソコソと淳司に話し出した





非常に、胸糞悪い金儲けの話だった







「もしかしたら、女の一人暮らしかもしれねぇよ、じきに死んじまうんだったら、つかわねぇ金をちょいといただくなんてのはどうだ?」





「馬鹿か、仕事でもないのに、
ただの犯罪だろ」



「強がってんじゃねーよ、
お前も今日の飯に困るくらい金ねぇくせに」



これは図星だった


飲みになど来ている暇はないのだ




「いいか?
これはチャンスだ。
何もこの女だけじゃねぇ、他にもいるかもしれねぇだろ?
少しずつ、頂戴するだけだよ」




「…」






金には困っていた


だが早々にこの男とは手を切るべきだと悟った





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