All Arounder
第55章 You Asked For It 2
「ほんと…そうだよ、お前がビビリなせいで…
こんな…
こんな…
お前を俺…ほんとにころし…」
「なんかぃも、いうけどよ、
ツケぁまわってきた…だけだ…」
「違う!俺が、お前を刺したんだ!」
ガッ
と
髪を掴まれた
淳司は俺を、睨みつけていた
「おまえのせいじゃねえ!!!」
「…」
髪を掴む手を離すと
淳司はまた天井を見た
「やぁーっと…清算できた気分だ…」
「淳司…」
「昔のことは、ちゃんと背負え…
それでいて、前を向いてろ…」
そして小さな声で
「ゆりかには…わるぃこと…するなぁ…」
そう言って、
また涙を流した
ガチャン
ーーーー!?
玄関の鍵を開ける音がした
有利香が帰ってきたのだった
「くろ…裏口から、でていける…」
「そんな…」
「さいごくらい…むすめといさせてくれよ…」
「…」
俺は、淳司の本を抱えて
部屋から逃げた
「そうだ…それももってけ…」
「きゃああぁああああ!!!!!!
パパァアーーーー!!!!」
外に出た瞬間に、
有利香の叫び声が聞こえた
ああ、そうか…
淳司、こんな感覚だったのか
「クロウ、コロシテヤル」
そうナイフを突き立てられているような圧迫感を背中に受けながら
走って
ひたすら走った