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All Arounder

第56章 Strong Women




『でね、大志たちには内緒で、特訓をしようと思うんだ』



「うん、うん!うちもやる!
でも何するん?」


『…』





姫は黙り込んだ


具体的な案は何も考えてなかったんだろう




「とりあえず、あのギャルでもめちゃめちゃ強かってんから、うちらも頑張れば、あれくらい強くなれるかもしれへん!」



『だよね!じゃあ剣道習いにいく!?
ボクシング習いにいく!?』


「うち柔道とかやりたい!でも武器とかあるほうがええんかな?」







「…」


「…」




大志も井上も、

後ろで姫と葵が良からぬ作戦を立てていることは薄々肌で感じていた



「何か、しでかしそうだな」

「ああ…」













ーーーーーーーー




『それではこれより、レディース緊急会議を開きたいと思います』


「いよっ、待ってました〜」



葵が手を叩くと、湯船のお湯がビチビチと姫の顔にかかっていった


姫は両手でそれを拭い、頭に巻いたタオルを巻き直す




『まず、我々はなぜ強くなる必要があるのか、はい、葵ちゃん』


「退斗たちを守るためです!」



『その通りです!
ではなぜ守らないといけないのですか!?』


「大切な人だからです!」



『その通りです!
しかし今回のように、強い大志や強い退斗でも、勝てない敵が現れた時…一体どうしたらいいのでしょうか!』



「やっぱりもう、うちらが守るしかありません!」



『その通りです!』





似たような問いかけに、似たような答えを重ねていくこのレディース緊急会議


キャッキャキャッキャと楽しげな声は、浴室から聞こえていた




「2人一緒に風呂入るなんて珍しいな」


「のぞいてくださいってことでいいか?」



「バカやめろ」





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