All Arounder
第56章 Strong Women
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『明日が楽しみだ~』
姫は髪を乾かし終え、大きく伸びをした
そして立ち上がると、空中にパンチを繰り出す
あたしが強くなったら、大志驚くだろうな~
“なんてたくましい女の子だ!惚れたぜ!”
ってなるかな~///
ぶんぶんとパンチを繰り出す
『…』
意外と…しんどいな…
腕上げ続けるのも、普段なかなかしないからかな…
『こんなことじゃだめだ…!』
姫はうつぶせになると、腕立て伏せのポーズをとった
『…』
床とにらめっこし続けること数十秒
まったく肘が曲がらない
…腕立て…できない…
そのままごろりと転がり、一息つくと
もう一度立ち上がる
パンチの練習しよう!
イメージは、大志の喧嘩シーンを覚えているから十分である
こんなかんじか?こんなかんじ???
姫なりにあれやこれや考えながら、
見えない相手に向かって戦い続ける
『ぬぅ、手ごわい相手だ…』
見えない相手は姫と互角に戦っている
部屋は電気をつけられないので、
暗闇で、一人、鍛錬を続ける姫
せっかく風呂上りでさっぱりしたというのに
じわじわと汗をかいてきた
『ま、まけるか~』
「なに踊ってんだ…?」
『はっ…』
振り向くと、大志がいた
携帯のライトを顔に向かって煌々と照らしてくる
『ま、まぶしい…!』
姫は特訓を見られた恥ずかしさのあまり、部屋の隅に逃げていった
「…姫ー、かえっておいでー」
大志は自分で肩をもみながら、布団の上へ座った
…ひょこり
暗闇から顔をのぞかせ、姫はおそるおそる戻ってきた