
All Arounder
第56章 Strong Women
「ほんっと、おまえって…」
『…?』
大志は姫の胸に抱きついたまま、
黙り込んだ
この圧迫感がなんとも言えず、
幸せに浸らせてくれる
「…」
ゆっくりと顔を上げると、すぐそこに見えた姫の唇にキスをした
少し離れて
またキスをして
『なんだか…』
「ん?」
『今日の大志は甘えん坊さんみたい///』
「どういうことだ…///」
姫のふにゃりとした柔らかい笑顔を
どうにも自分の全てで覆い尽くしてしまいたくなる
「…舌出して…」
『えっ』
左手で頭を支えると、
髪がサラサラと溢れていく
少し開いた唇にかじりつくようにキスをした
「出して、姫、舌…///」
『は、はずかしいかも…///』
「恥ずかしくないよ」
声のトーンがいつもよりも物静かで
鼓膜から伝わる振動が体全てを刺激するようだった
姫は歯の隙間から舌を覗かせると
大志もそこへ自分の舌を触れ合わせた
『たいひ…っ///
ら…///』
絡まって絡まって
足元からもじわじわと熱がよじ登ってくる
「ひめ…///」
