一万回目のプロポーズ
第10章 チューしな殴んぞ
『ちょっ…俊司…!!///』
「いいからいいからっ」
そのままあたしを、ギューッと抱きしめてきた
『俊司…くるしぃ…///』
俊司の胸板に押し付けられ、呼吸が出来ない
「愛の抱擁だ、ありがたく受け取れ」
『拷問だ…』
すると俊司は、手の力を緩めた
あたしと目が合うと、少しはにかみながら言った
「明奈…キス…しよ?///」
『さっきしたじゃん…///』
「違う、さっきのはチュー」
『はあ…?一緒でしょ?』
あたしがそう言うと、俊司は少し身振りを入れた
「違うの、チューとキスは、ニュアンス的に違うの」
『…ふーん』
あたしの素っ気ない返事に、俊司の眉はハの字に下がる
「じゃあ…明奈は俺とはキス出来ないんだー」
『…』
「超ショック、将来のお嫁さんにキスすらしてもらえないなんて…俺可哀相ー」
『…したら、いいんでしょ!?したら!!///』
「うんっ///」
だから
その笑顔、ほんとにずるいよ…