一万回目のプロポーズ
第12章 思い出
『ちょっ…ちょちょちょ…!!』
「一番乗りは俺らのもん~」
バスの扉が開くや否や、俊司はあたしを引っ張ったまま外へ飛び出した
足がもつれてこけそうにもなったけれど
そうすると俊司が、少しゆっくり走ってくれた
学校の誰よりも最初に建物に入るあたしたち
俊司は止まることなく、エスカレーターを走り上がった
『どこまで行くわけ…!?』
「展望台。あるの知ってた?」
目をぱちくりさせてから、首を横に振ると
「海が見えるんだ、今日晴れてるから、絶対絶景!!」
『…///』
ワクワクしながら走る俊司
こっちまで、心臓が高鳴った