一万回目のプロポーズ
第12章 思い出
『俊司っ』
「ん?」
『ありがとう』
海を見つめたままそう言ったから
俊司がどんな顔してるのかわからなかったけれど
「どういたしまして」
多分、笑ってくれてる
「あ、そーだ」
何かを思い出したように、あたしの肩を叩いてきた
「早くしねーと」
『何を?』
「何だと思う?」
『お土産か』
「違う違う」
『えー…』
あたしが考えていると
いきなり視界が遮られた
『…///』
優しい唇が
あたしの唇に触れたんだ
「…これが答え。わかったかー?」
『…わかりませんでした///』