一万回目のプロポーズ
第12章 思い出
『で…でも指輪って…え、左手の…薬指…?///』
きょどりっぷりも、なかなかのものだ
あたしは頭を混乱させながらも言った
「とことん馬鹿」
『んなあ!!?』
「そこはまた何年か後に、本物をはめんだから。
取っとけ」
『…///』
もう、軽いめまいすらする…
俊司はそんなあたしに気づくことなく、棚に並んだ指輪を見ていった
ドンッ
「いてっ、何だよ…?」
『…何でもない///』
何となく
俊司の背中にもたれて
顔を隠した
「あ、これなんてどう?」
『?』
首を伸ばして見てみると
俊司は、シンプルな指輪を手にしていた