
一万回目のプロポーズ
第13章 孤独かどうか
「よっす」
ボンッと頭に何かが落ちてきた
『いだっ』
しかも、かなりの痛さ…
「あんまり寝てたら牛になっちまうぞー」
『ならないもん…』
あたしが顔を上げると、サッカーボールを持った俊司が隣に立っていた
たぶん、さっき頭に当たったのは、その泥だらけのサッカーボールだろう…
『え、ちょ、あり得ない、汚い!!』
「汚くねーよ、ボールは神聖かつ友達だ」
あたしは頭を軽く払った
乾いてしまった泥が、かすかにパラパラと落ちてくる
『お前ーーー!!!』
「わはっ、ごめんごめん」
「あんたらほんと、仲いいねー…」
香織が呆れた様子でそう言った
そしてその後に、ホームルーム始めのチャイムが鳴った
