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一万回目のプロポーズ

第13章 孤独かどうか




「でさぁ、マジうざくね?」


「調子乗ってるとしか思えない」


「なんか前々から思ってたーみたいな」





声は3人分聞こえた


千尋と…多分いつも一緒にいるメンバーだろうな




『…』




嵐が過ぎるのを待つ



何であたしがコソコソしなきゃいけないのかわかんないけど


まだジュースを掛けられたことを引きずってる自分がいる





こんな狭いところで、しかも仲間を引き連れているんだから

千尋に出くわしてしまった時には、何されるかわかったもんじゃない






「そういえばさぁ、笹川さん、また俊司君と仲良さそうにしてたよ?」




『…』



心臓がドキリと跳ねた



この声はきっと、同じクラスの梅宮さん…






「…へえ」



「千尋、いいの?
あの子ほんとに調子乗っちゃうよ?」



「ほっとくわけ、ないじゃん」





あたしは、全身に寒気が走った






「俊司はあたしのものなんだからさ」







鏡を見るためだけに寄ったのか


千尋たちは、ある程度喋るとトイレを出ていった







『…』




絶対…会えないな




会ったらあたし、殺されちゃうかも





…なんて大袈裟な考えを喉元で止めて、微笑した








『俊司は…誰のものでもない』











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