一万回目のプロポーズ
第7章 夜の電話
『…』
…何これ?
あたしは鞄から筆箱を取り出し、消しゴムでその4文字を消していった
大きく書かれていたせいで、消しゴムの消費量がハンパなかった
消している間に感じる視線
怖い
これ、嘘だよね?
明日また学校に来るの…怖い…
"バカ"
"消えろ"
"学校来るな"
『…』
次の日は
また増えていた
もう
ダメだ
あたしは
虐められている
「笹が…」
北村の声が聞こえ、目だけをチラッと向けると
北村も消しゴムを持っていた
…助けてくれる…
けれど北村は
他の女子に阻まれた
あたしは結局
ひとりで字を消した