一万回目のプロポーズ
第9章 二人でまた
『ぎ…ギブ…』
あたしは必死に俊司の体をポンポンと叩いたが
「我慢しろ」
そんな言葉で片付けられてしまった
しばらくすると、やっと俊司は力を緩めてくれた
「よし、行ったな」
あたしは久しぶりに新鮮な空気を吸い込む
『ぶはぁっ』
「そんな苦しかった?」
『うん』
あたしは胸をドンドンと叩いた
「…あ、また来た!!」
『ぐえっ』
再び壁と俊司に挟まれる
明奈サンドウィッチ!!
しかし、千尋の姿は見当たらない
『俊司…千尋いなぃよ…?』
「…うん」
へ?
『あのさ…苦しぃ…』
「もうちょっと…」
俊司は、あたしの頭に顎を乗せた
何となく俊司の息遣いが、すぐ近くに聞こえる
心臓
うるさぃ///