一万回目のプロポーズ
第9章 二人でまた
「なぁにが
"夢みたい///"だ」
『ちょっ…声真似やめてよ…!!///』
あたしは二、三度俊司の体を叩いた
そして手すりに腕を、その上に顔を乗っけた
「…夢だったら覚めちまうじゃん」
『…』
あたしは目だけを俊司にちらりと向けた
景色を眺めるその表情に、見とれてしまう
「夢だったら…やだし…///」
『…』
「夢が覚めたら…この場所も…今日のことも…明奈も…
消えちまう…」
俊司は手すりに乗り出し、下にある水面へと視線を落とした
『…あたしは…』
一歩、俊司に近寄った
『あたしは…夢でも消えないから…///』
「…ば…か、んなことあるわけねーだろ…///
夢だったら消えちまうんだよ」
俊司は、あたしから顔を背けた