一万回目のプロポーズ
第9章 二人でまた
『…あたしたち、成長したねー』
「は?」
突然何を言い出すのか、と、俊司は意味のわからなさそうな顔をした
『昔は、あんなに小さかったのに…』
「身長か?」
『うん、いつの間にか俊司に抜かされちゃってたし、
手だって…』
あたしはつい
俊司の手に、指を絡ませてしまった
『俊司の方が、すごく大きくてさ…///』
「…///」
手の平を合わせれば
一緒の大きさだったのに…
『…不思議だよね…///』
もう
10年近くも昔の話
でも
変わらないことが
今でも変わらないことが
ひとつだけあるの
『ご、めんね、急に手ぇ繋いじゃったりー』
あたしは笑ってその手を離した
…つもりだったけれど
俊司はその手を離してくれなかった
『…俊…司?///』
「…///」