籠の中のお姫様
第1章 知らない人たち
何時間歩いただろう
どこまで行けば、あの母様から逃れられるのだろう…。
城から逃げ、なるべく遠くに行った
だけど、たどり着いたのは周りに家などないとても広い砂漠。
毎日鍛えていたはずの体がもう動かない
上手く歩けない
水分が欲しい
暑さのせいでどんどん意識が遠くなっていく
足を踏み外したのと同時に体が傾き、そのまま地面に倒れこんだ
砂漠は暑く、体が焼けそうだ
だけどもう、立ち上がる気力は残っていない
意識が薄れていく中、目の前に人影がうつったような気がした…。