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籠の中のお姫様

第3章 縮まらない距離


「兄貴、それどこだよ!」

素早く食いついたのはレオだった


「どこだったかな、旅してる時に見た気がするんだけど」



…お願い、言わないで

お願い…


「…」


「あっ…!!」

思い出したような声を上げた時だった


「レオッ!!クレハっ!!!」


「っ!うるさ…」


玄関のほうからキノの声がした


「あっ!!やべ、こんな時間…」

「なにやってんの!?もう仕事の時間なんだけど!」

「悪い忘れてた」

「はあ?何それ」

「キノ」

「ちょっと黙ってて」

「キノッ」

「何!?・・・え、

アル兄!?帰ってきたの?」


「気づくの遅い」


「ごめん…」


「久しぶり」

「久しぶりっ!!なんかおっきくなったね」


「キノは相変わらずだね」

「へへっ、ありがと」


「ほめてないよ」

「あっ!そんなことより!、二人ともはやく!!」


「はいはい」

「なんだよ、遅れたレオが悪いんでしょ!」

「わかってるよ」



「もおー。クレハ・・?どうしたの?行くよ!!」

「あ、うん」

キノが来てくれてよかった

じゃないと…



二人が部屋から出て行って、後を追って出ようとした時だった




「ねえ、思い出したんだけどさ…」



っ!?
 

やめて、言わないで…




「君、南国のお姫様でしょ?」





少し笑みを浮かべたアルトさんは、まっすぐ私のほうを見ていた





-私、ばれちゃった…








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