2人乗り
第2章 手をつなぐとこから
席を立つと
アキラはトレーを
俺より先に持ち
返却口まで持って行ってくれた
「サンキュ」と声をかけると
アキラは二カッと
屈託のない笑顔をみせた
たまらず
俺はすぐに手を繋ぎ
指を一本一本絡める
恋人繋ぎだ
またアキラは
俺から目線を外し
おとなしくなった
自転車までの十数歩
アキラは・・黙っていた
それから2人でDVDを借り
俺の家まで自転車をこぐ
アキラは
いつもよりおとなしくて・・・
俺は、家に来るよう
誘ったことを
少し後悔していた
「おじゃましま~す」
「(笑)なんだよ
めずらしいな。
いつも
そんなこと言わないのに。
誰も居ないの知ってんだろ?」
「うん…ま、そうだけど。」
「座ってて
なんか飲み物持って行くから。」
玄関を入った所で
そんな会話をした。
俺は台所へと向かい
アキラは
二階の俺の部屋へと向かった。
いつもなら
階段を駆け上がる
軽快な音が聞こえる。
でも、今日は違った。
ゆっくり
静かに階段を上がる
アキラの足音が聞こえた。
付き合ってくれなんて…
言わなきゃ良かったのかな…
告白してから、もう二週間
アキラの不自然な
行動を見るたび
俺の胸は、チクチクと痛んだ