2人乗り
第4章 ふれることから
映画は
アキラの好きなホラー映画
最悪だ・・・
俺はホラーが苦手なんだ
映画を見ながら
ずっと
手をつないでいたんだけど・・
俺は、驚く度に
アキラの手を
固く握ってしまったり
ピクッと
反応しちゃったり…
目を閉じてしまう事も
しばしば
ほんと情けねぇ
その度に
アキラはクスクス笑い
チラチラと
俺を見て面白がった。
映画が終わった頃には
俺はドッと
疲れてしまっていた…。
「直希、大丈夫?」
「大丈夫・・・
・・・・・・じゃない。」
「ごめんね?
ホラーなんか
付き合わせちゃって…」
「気にすんなよ~
俺もホラー見たかったんだし」
「え?見たかったの?」
「うん。」
「怖いのに?」
「アキラがさ…
きゃ~とか言って、
俺に抱きつくかと思って…」
「マジで?」
「マジで(笑)」
「バチアタリめ!(笑)」
「(笑)」
「どっかで
ゴハンの予定だったけどさ
もう帰ろうよ
私、直希んち行きたいな。
ゴハンはピザとかでいーし。」
「そんなんで・・・いーの?」
「うん、いーの。
直希んちがいーんだってば。
門限まで・・・居てもいい?」
「いーよいーよ。
いいに決まってんじゃん!
なんなら泊まっても。」
「それは、ないから!
直希、うちのパパに
殺されるよ?(笑)」
「だな(笑)」
結局、アキラの提案で
俺の家に帰る事になった。
なんで、アキラは
俺んちにこだわるんだ?
俺が疲れたから、
気を遣ってくれたのかな……
駅からの帰り道
行きと同じように
アキラは
俺のカラダに
左腕だけを巻きつけた。
朝とは違って
俺の心臓は
ドキドキから
ウキウキに変化していた。
なんか・・・・
ひとつになってるみたいで、
なんか…いーな。
2人乗り。