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CROW―二つの魂―

第1章 第一部:若き戦士の覚醒

(やっぱり疲れてるのかな?)

自分を突き放して、客観的に見ようとしても、思 考はあの夢から離れない。

もう目が覚めて、意識もはっきりしているのに、 まだまだ記憶から消えてくれない。

それも、この〈夢〉が他の夢と違うところだっ た。

普通なら、夢の記憶は急速に薄れてゆくものだ。

見はじめた三週間前からの夢も、ゆうべのも、

くら時間が経とうとも一向に印象が薄れない。

それどころか、もっと濃くなってくるのだ。

慣れ親しんだ電車の揺れに、身を任せていると眠 気が襲ってきた。

(あ~…寝ちゃダメだって…乗り過ごしちゃう…)

人間、眠ってはいけないと思えば思うほど、睡魔 には勝てないものだ。

そのまま、九郎は眠りに落ちていった――――

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