性教育学校
第33章 すれ違い
「読んだかしら?」
何分か経って
先生は戻ってきた
「先生…あの……」
「なに?」
「先生はなんでここの教師なんですか?」
講演会とは全く関係ない質問に
少し驚いていた
でも
先生は丁寧に言葉を返してくれた
「前は…普通の学校の教師だったのよ?」
少し懐かしそうに
話す先生
「なりたかった職業だったの…
保健室の先生って…なんか憧れないっ?」
とても無邪気な笑顔
さっきとはまるで違う…
「あたしは…
生徒の気持ちを考えてあげられる
先生になりたくてね。
相談にくる生徒を
とてもとても大事にしていたの。」
あたしが先生を
恨めない理由…分かった気がする
「先生になって、学校にも慣れ始めた
ある日、男子生徒が相談しにきたの。
セックスしてみたいんだって。」
少し笑ってる先生
懐かしそうにしてる…
「そんな相談初めてだったら
最初は戸惑ったの。
けど、すぐに解決策が浮かんだ」
聞かなくても
なんとなく分かった
華原先生だもん…もう分かっていた
「その生徒にね
『あたしが相手しようか?』って言ったら
目の色が変わったのよ
すごく覚えてるわ。」
普通の先生ならありえない
前までのあたしなら
一瞬で引いてたと思う