一瞬の静寂と安堵は幕間にすぎなかったとは…
はからずも前回のレビューで触れた要の言葉への漠とした不安が現実になったことに呆然としています
それは萌の額が柊の手が、紅、ではなく黒く濡れてゆくことで更に不穏な気持ちを掻き立てられるのです
そして和虎の必死の平静と露な感情のままの柊が、動かない萌をはさんで作り出す静と動のコントラストの鮮やかさ
息を呑みました!
『頬を撫でては抱きしめ顔を覗き込むことを繰り返す』柊の初めて見せる弱々しさは、倒された修斗に目を伏せながら和虎にシンクロして闇に目をこらす胸を苦しくさせるのです
どうか、萌と柊に救いを…!
更新ありがとうございます!
れい☆さんのレビュー一覧
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[評価] ★★★★★
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[評価] ★★★★★傷つきながら愛する柊を守った萌
その萌のため一撃を振り抜いた灰谷氏
ついえた修斗の復讐…
語る和虎にシンクロしながら、目の前で起きているかのような臨場感に拳を握り息を詰めていました
熱い夜の終わる兆し…
安堵とともにこの夜の向こうにいる巽さん、由奈、美弥子を思うとき、ドラマはきっと更に深くひとりひとりを繋ぎながら続いてゆく
そんな思いを新たにしています…
そしてふと思うのです
柊の命は守られた…要の予言ははずれたのだろうか、と
この夜がどこへ続いてゆくのか、胸が高鳴ります
連日の更新ありがとうございます!
今、『聖戦』の意味を噛みしめています…
そして、萌を抱きしめてあげたい
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[評価] ★★★★★誤解にぶつかり合う男たちの原色の感情と、傍らで混乱する萌の色のない感情…
入れ子細工のように綴られる場面の鮮やかさは、読み手を萌にシンクロさせ胸をしめつけます
けれど時に遊離した萌の魂が俯瞰で語るようにも思え、記憶の扉を閉じるまでの心の動きがいっそう印象に残るのです
身体の自由を取り戻した萌がその身を投じた先は愛する人か、目覚めた悪魔か…
対に対峙するふたりのシュウに鼓動は更に早まります
それにしても黒いコートが
『ゆっくりと 音もなく うずくまる人の形に 変わっていく。』とはなんて表現!
不気味さが背筋を這い上がりました
更新ありがとうございます!
次の和虎sideはもしかして… -
[評価] ★★★★★柊が記憶と結び合わせた不穏な人影は灰谷氏だったとは…
誤解が更なる不幸を生んでしまう予感は息詰まる緊張の糸となり、気配に声音に細く高い音を響かせます
傷つき果てた萌の絶望と逡巡
柊の怒りに燃える瞳と萌に呼び掛ける切ない声
灰谷氏の決意を秘めた眼差し…
次々とスポットライトがあたるように浮かび上がる感情が一段と劇的な雰囲気を高めて息をつかせないのです
誰かが命を引き換えにしなければ終わらないほどの沸騰した夜
悪魔の目覚めにふいに要の予言が思い出されました
不吉な…
読み終わり、天を仰いだ胸の中を吹き抜ける冷たい風
知らず知らず和虎に救いを求めていました…
更新ありがとうございます!
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[評価] ★★★★★夜の色が変わった…
重くぬめるような闇がはらわれ
空が見える
けれど 降る雨は誰の涙か…
手紙、たった三つの音を発する為に
必死の萌
読みながら喉がカラカラになり、まるで萌になったように喘いでいました
わかって欲しいと願う萌と、わかろうと息を詰める灰谷氏の緊迫感がたまりません
けれど何というタイミングで現れたものでしょう、柊は!
焦燥感を抱え追い付いた柊が二人を見て何を感じるのか
これは次のシーンへの大切な序章かと更なる緊張に再び夜の色が変わるのを感じました
手に汗握るとはまさにこのこと!
更新ありがとうございます
『柊が立っていた』
この最後の一文に萌の絶望が見えるようです -
[評価] ★★★★★時を巻き戻すことができるなら…
叫びだしたい思いが、とつとつと言葉を零す灰谷氏の心情に重なります
どんな想いで萌の前にいるのだろう…
修斗を倒した心優しき英雄の悔悟、自責、戸惑いが胸に痛いです
そして傷つきながらも柊のことだけに想いを至す萌の姿が、翼の折れた天使となって浮かび上がるのです
それは、気を失った萌が意識を取り戻し、我に返り、警察をと携帯を取り出す灰谷氏を体で制するまでの感情表現の細やかさが描き出す鮮やかな映像
引き込まれながら、ああ、誰にも知られたくない、とシンクロするのです
二人だけの秘密を抱えこの後萌は、灰谷氏は…?
心は千々に乱れます
更新ありがとうございます!
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[評価] ★★★★★少女を想い
慈しむ守護者の瞳が哀しみで曇る夜
戦いのゴングが鳴らされる
その胸には
かつての記憶が甦ったろうか
守り得なかった者への悔悟と慙愧が
今
少女を苛む男へ向かう拳を
強くするのだろうか…
一線を目前に
守られた少女の祈りに想いは重なり
心が震える
正義の守護者よ
その憤怒の炎で
忌まわしい夜を灼きつくせ!
更新ありがとうございます!
修斗への怒りがおさまりません… -
[評価] ★★★★★絶望。
に次ぐ絶望
もがくように光を模索しながらの抵抗虚しく、思考が、感情が停止しようとする萌に限りなくシンクロします
この苦しさは萌のものか私のものか
蹂躙する側とされる側の細かな映像と感情描写
圧倒的な緊迫した臨場感
修斗の残忍さと萌の無力さの対比に心が揺さぶられます
一方、存在感を増した手紙に謎は深まり、サスペンスフルなさまは萌の危機のクライマックスにあってさえふとした冷静を投げ掛けるのです
そう、萌の危機のクライマックス!
現れた守護者の熱を帯びた声に密室の鍵が解かれたような安堵を覚えました
けれどこの先は…
更新ありがとうございます!
読後、胸がいっぱいになりました… -
[評価] ★★★★★切迫した柊の電話に取り残された和虎の心中…
楽観から悲観へ心の振り子が振れるさまに胸が痛くなります
声だけのため更に伝わる焦燥
電話の向こうの柊の形相を目の当たりにした思いです
そんな中、涙もろく優しい和虎が、考えうるすべての手を尽くす様子は彼の真の魅力を伝えてくれるのです
愛ゆえに心を尽くす…!
萌に、修斗に、そして柊や和虎にシンクロして惹き込まれる聖戦の章
sideを変えて綴られる禁兄の映像世界はドラマの緊張感をいっそう高め目が離せません
はたして次の萌sideは…?
更新ありがとうございます!
余韻を残した終わり方が心に沁みます… -
[評価] ★★★★★諦めと抗い…
絶望の中
抗う道をゆく者の胸には、必ず大切な誰かがいる
なんと大きな愛の力!
そんなことを思いました
最後に抗う力を得た萌に胸が熱くなったのです
柊から愛されている自分を守ることもまた、愛に殉じること、と
そして修斗の狂気を一時止めさせた手紙が巽さんの託したものであることも萌を包む愛の力だと
ああ、これは萌にとっての聖戦なのですね
ところで修斗の動きを止めたものの正体は…?
新たな謎は何かに繋がろうとしている予感をはらんで謙太郎の名に既視感を覚えるのです
ドラマがまた動き出す…
読むことの醍醐味を改めて感じた夜でした
更新ありがとうございます!