姿なき由奈の声が聞こえる
来て…
来ないで…
今も尚 二つの想いに揺れる恋心か
由奈を想いランウェイを歩く柊の心象風景の美しさ!
胸に迫ります
柊は由奈を大事に思ってもいたのだと
けれど行ってはいけない!
その場にいたら私は柊の頬を張るでしょう
覚悟はあるのか?
由奈の人生そのものを引き受ける
あの夜の由奈の覚悟を思え、と
和虎は動くのか
鬼となった修斗は今どこに…
運命の交錯する予感に緊張が高まります
由奈sideさながらに、揺れる柊の心模様から浮かび上がる由奈の姿は、丁寧に描かれてきた彼女の場面の結実
改めて作者様の繊細で鮮やかな筆の力に唸りました
更新ありがとうございます!
れい☆さんのレビュー一覧
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[評価] ★★★★★
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[評価] ★★★★★不意打ちに頬をなぶる風
嵐が訪れる
誰か抗うすべを持つのだろうか…
終わりの始まり、が再び幕を開けるのだろうか…
華やかなリハーサルの喧騒の中、柊と和虎の回りだけ色を失い時が止まった映像が浮かびました
血の気の失せた柊の顔さえ見えるようです
それぞれの悔やまれる“あの夜”を胸に、由奈が消えた、現実に対峙する様子に心が波立ち、話しながら不安を募らせる和虎に、由奈の絶望と孤独が甦るのです
奇しくもその由奈の運命の渦に向かい風が集約したような嵐
今後一つの言葉、一人一人の存在が、一層大きな役割を果たす予感に緊張が高まります
更新ありがとうございます!
和虎の絶望的な言葉が胸を離れません… -
[評価] ★★★★★命の焔が
大きく揺らいでその時を兆す
手を伸ばし
両の手で包んでしまいたいものを…
「‥‥真実と向き合うっていう仕事が、俺には残ってるのさ‥‥」
父と娘が過ごした夢語りの時をしめくくる言葉は、ある覚悟を持って胸に重く響いてきます
静かな声だったでしょうね
フルート奏者として父を客席で、と語る萌の夢を見届けてほしい…
トップに立ち世界中のランウェイを、と瞳をあげる柊の夢を見守ってほしい…
けれど…
それでも…
揺らぎながら、楽しい時に涙で水をさすまいとする萌を抱きしめてあげたい
更新ありがとうございます!
ついにその時、でしょうか…
そして巽さんが向き合う真実とは… -
[評価] ★★★★★天使が
金の砂子を撒きながら
通りすぎたような時間…
切なる現実の中
父の 娘の 想いを映し
病室にぬくもりが灯る
病床に伏す時間は無限にも思えるでしょう
その中で
── …でも、お前の声を聞いていたくてね。
巽さんが萌を慈しむ心情が胸に痛いです…
そして
父が語り聞かせるHIROの夢
ふたりが想う柊の夢
萌が語る自身の夢…
会話主体であることが密な時間を印象づけ、耳に心地よい和らぎを与えてくれます
けれど韻をふんだ章タイトルを重ねる時、それぞれの夢の光に思いを至すとともに、あの黒い影が胸をよぎるのです
はたして誰が…
更新ありがとうございます!
柊と灰谷氏を…と願う萌がいじらしい -
[評価] ★★★★★少女は憂いを纏いながら大人になってゆくのでしょうか…
─答えを急がなくても、その時は自然にやって来ます
はからずも灰谷氏が投げた愛し方への問いかけが、萌の疑問を消化するきっかけになったとすれば喜ばしいのです
けれど
─ 16歳で結婚できるんですか
─ 結婚はしません
この時の思いを重ねると禁忌の愛が浮き彫りとなり切ないばかりです
萌と灰谷氏
新たに結ばれた信頼の中黒い影への危機感はすれ違い、そのことが更に不安を煽ります
そして幾度となく私の脳裏をよぎっては否定した絵が現実にならないよう祈るばかりなのです
更新ありがとうございます!
守護者はリングネーム HIROというのですね♪ -
[評価] ★★★★★ある人は言う
どれほどに
おまえは大人なのかと問われし時
嘘をつけるほどに
と
彼もまた…
灯ともし頃の静かな時間が
ふたりの明け暮れを戻しゆく
それぞれに
想う人を胸に秘め
薄闇に浮かぶ 戸惑いは
深い情(こころ)に溶けゆくか…
切なる言葉が
ふたつの影が
陽炎の如く揺れかかる
想いに命で返すほどの
熱き心を
泣かせてくれるな
黒い影…
更新ありがとうございます!
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[評価] ★★★★★深い森に
柔らかな光降り注ぐ中
許しを諭す聖母
膝をつき導きを受ける迷い人…
一枚の絵は大いなる愛を語る
呪縛を解かれた灰谷氏が萌の必死の願いを受け止めたことに安堵しつつも、静かに語るその愛の信条に心臓を掴まれた思いでした
果たして萌もその心にさざ波をたて…
さざ波は大きなうねりとなる予感を秘めて、萌と柊の愛の行方に心をざわめかせます
── 許されぬ愛などない‥‥愛は愛です。
けれど問われるべきは愛の本質ではなく、愛し方
灰谷氏が投げ掛けた言葉に萌は柊との愛をどのように見つめるのでしょう
選び抜かれた言葉、台詞が胸に響きます
それ故に切なさもまたつのり…
更新ありがとうございます! -
[評価] ★★★★★海辺の街の記憶から声が聞こえる
── 先に行ってるね
その弾んだ声音は嵐が消し去り
兄には届かなかった…
愛するものを守れなかった
ましてや真実から目を背けたばかりに自分を責め続けた人生はどれほどの痛みであることか…
まるで懺悔のように語る灰谷氏へ延べる萌の手が、彼を光の世界へ導く様がはっきりと見えました
許しは与えられている
今度は自分を許すことだと
今回の更新分、弟の闇にはさりげなく触れ、兄の想いに焦点をあてた一人語りがその過去を過度に重くさせず、けれど深くしていて心が激しく揺さぶられました
許すとは過ぎたことへの行為
今、森を抜け新しい明日へ…
更新ありがとうございます!
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[評価] ★★★★★小さな静寂の中
深く濃い森が
暖かな陽だまりに影を落とす…
─ 私は被害者じゃない
柊は
加害者じゃない
私達は
ただどうしようもなく
お互いが好きな
だけ
優しい人柄を認めながら、相入れない一点で怒りにも似た叫びを上げる萌に胸が詰まります
萌を被害者と見ることは柊を冒涜すること
ふたりの愛を汚すこと
何より堪えがたいことでしょう
だからこそ灰谷氏の闇に向き合おうとするのでしょうか
その頑なな正義を崩す手だてを求めるのでしょうか
萌もまた守りたいものがあるから
願わくば、聞く覚悟を糺すほどの灰谷氏の過去が、萌をまた深い森の中引き込むことのないように…
更新ありがとうございます! -
[評価] ★★★★★ここにも
覚悟を決めた男がいる
熱風に曝されながら
思い続けたのは
やはり 一輪の花だろうか…
柊との時間に思い巡らせ、浮き立つ萌と共に心弾みながら、萌とともに息をのみました
巽さんと灰谷氏…
和やかな空気が逆に萌の不安を掻き立てるさまが鮮やかです
どこまでも真正面から対峙する彼故に、萌も柊の言葉に目を伏せたのでしょうか
どの道が正しいか
進んでみなければ
わからない
か弱い萌の大胆さを垣間見ながら、私の心も萌にシンクロします
語られるのは灰谷氏の想いか、過去か…
新たな風がどこへ、どれほどの激しさで吹くのか緊張の糸が胸にひとすじ張られた思いです
更新ありがとうございます!